2014年10月16日木曜日

出るも出ないも


 秋の午後の陽だまりにある蕗の葉もそれなりに美しい。今度の冬はどのような冬になるのでしょう。今朝の富士山は初冠雪だったとニュースで言っていました。私の住んでいるところは里山が東に迫っているので、富士山は見えないところです。
 台風19号は雨を降らせ過ぎて行き、晴れると思った昨日も肌寒い雨でしたが、今日の午後はなんとか晴れ渡った感じです。
 庭の蕗は一か所に集めてもらいましたが、もう少し日陰の方でも良かったようです。これからの毎年の手入れで場所も落ち着くと思います。この庭の前の持ち主が残して行ってくれた蕗に茗荷にニラなどは土に合うようです。春には蕗の薹で出てくるでしょう。
 文庫番は、出る芽にもならず、出る杭でもなく。残された資料を編んでいくばかりです。みみっちい、親恋しさに鳴く鳥にも見えます。
 それにしても、あまりにも大事にしようと思った幾偏かの原稿を探して、一週間は気持ちが前に進んでいませんでした。探しあぐねてもとの書棚を丁寧に見たら、ちゃんとあったのを見落として家内大騒ぎをしていた訳です。ですけれども、これを探していなかったら、先日発見したものには当たらなかったのだと思うと、世の中に無駄なことはなく、さらに、その間に二次資料も確認できたのです。ただただ、父母の書いたものを編んでいくという、それで事業にもならない文庫番稼業なのに。そして世に問う意味も古びているのに。こんな枯れ葉になるのも間もないものに陽射しが当たったのを貴重な光だと。

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