2017年12月23日土曜日

一陽来復2017年


 八郷からはるばると来た水仙は、お正月迎えに華やぐようにと、健気にも川岸で蕾を膨らませています。
 このところ氷点下、毎朝霜にうなだれながら、日差しが高くなるとそちらに向かって伸びるように暖かさを茎に取り込むのでしょうか。
 八郷の南の、閑居山から、兄が山梨の我が家の玄関に来ました。
会うのは、次女が入院する前の時からだから4年近く経ったのでしょう。あの時の穏やかさはなくなり、表情は互いに固く、会話の糸口がないままで、同道してきた在家の方も、少しでも状況を好転させることができるかと考えられたのだと思いますが、どうだったでしょう。
 お茶をすすって、所在を知りたかった古い知り合いについて、私も解からないという事を確認できたら、戻っていきました。小半時もあったかどうか。
 そして、今朝のようにさらに寒さが厳しく、朝の冷え込みが肩のあたりで感じる日には、毛布にもぐって、また寒いだろうかと兄の吹きっさらしの小屋を考えます。
 会話が一方的になることが、在り方を難しくしているけれども、自他どこにその理由があるのか、探せないままについにこの年になっている、それでもまあ元気な様子にほっとします。 
 マハラバ文庫が、コミュニケーション・クリエイト。それは人生の最初から、会話の難しい状況の中で、互いの言葉を探してきているから。いづれ、最終章を綴るときがやってくるのでしょう。母が育てていた水仙のその系統だという花、この土地で、この寒さでも耐えていけるようにと、今日から陽射しが長くなることを喜びます。

2017年12月15日金曜日

山並みに日は暮れて


 茅ケ崎での二日間を過ごして、中央高速を山梨に戻る12月9日の夕景です。
連れ合いと高校時代からの友人は、閑居山に、父、大仏尊教のもとへ通い、当時のマハラバの人々ともなじんだ方なので、駅前ふらっとパルに展示された写真を見ながら、私たちも知らなかった話をしてくれました。
 神奈川での展示には、連れ合いも友人たちに便りをして、40数年を遡る時間を取り戻しつつ、現代を考えます。
 この夕暮れの下に、まだ、障害があるということだけで、生きる場の見つけられない人が居る。障害があろうがなかろうが、生活に困窮し自分の在り方を虚しく思う人が居る。
 友人が見せてくれた紙芝居「幸せな王子」。オスカーワイルドのもう一作「わがままな大男」と二つが一冊になっていたものを、父は私たち兄妹に与えてくれていたのでした。
 あの楽園を、また美しくしていくことは、できるのだろうか。