2019年5月24日金曜日

水守り




 田んぼまで、することになったのです。我が家の田んぼの水守りに黒く塗られたブロックを置きました。なんで黒く?あの娘はいろいろなものを黒でキメていたから遺されたものも黒が多いのです。良いお米にな~れ。
 お母さんご飯美味しいね。きっとそういう声が田んぼでも聞こえる事でしょう。
そうは願っていたものの、この三日間は、田んぼに水を入れるために、持ち主さんから水の加減を聞いて、教えてもらったように連れ合いははじめたのですが、二晩経っても上手く溜まっていないと思ったら、コンクリートの畦畔なのですが、水漏れ箇所があるのです。しかも二年間の耕作放棄の間に持ち主が把握していなかったところにも穴ができていたという事で、本日は丸々穴埋め作業。
 土嚢もどきを作ってみたり踏み固めたり、季節を先取りした真夏の暑さの中を、家と田んぼの行き来も繰り返し、あれこれ資材を工夫しても石っころと土が一番いいんだと、土地の農夫は教えてくれました。
 水路の入れ口には蟹が居ました。水の調節をしているとイトトンボが二三頭、そして圃場は蛙たちの喜ぶ声。その下の川を泳いでいったのは、エラの黄色い蛇。
 木陰を作っているのは今の季節に熟した紫色になった実をつけた桑の木。
ひたすら、土方仕事でしたが、周囲にたくさんのいのちの姿

2019年5月1日水曜日


 四月の中旬に電波時計が止まってしまい、そういえば引っ越ししてきて丸6年だから・・・引っ越ししてきたのは、この土地の祭りである四月一七日。
 春祭りだったのですが、山之神さまは、とても強い女神だから・・いろいろな災いをももたらす厳しさを村の人は伝えています。改めて「異端の系譜」を読みながら、ようやくテープが揃ってきた中から、夏の企画に向けてどれを取り上げるか思考中です。
 昨日今日とお祭り騒ぎと言いながら、祭り本来の意味が革命だ、古い王は殺されて、新しい王を立てる民衆の力。そんな父の書いたものを力及ばずきちんとそろえていない文庫番。
 この20年ばかりを振るい落として、文筆に励みたいところを田んぼの準備も迫るのが春祭りでした。
 なんとか時間を生み出さなければと、懊悩する一方で、時というものは、為政者に操られるだけの事。宇宙の中で次元を跨げば始まりに戻るかもしれないところを、時計を定めるという事は他者の労働を支配していくのです。それは権力をもつ者は、他者の生存を与奪できるという、人類の愚かな歴史を受け入れるだけだから、自分のくらしの中の歳時記を綴れなければ、ならないと気持ちを改める止まった時計です。