2014年12月4日木曜日

村の工場!


 檜原村には、郷土芸能祭があるんだ、工場の上の酒屋さんに貼ってあったポスターに思います。毎年の村の人たちの楽しみがあるのを、同じ東京に住んでいた時は知らなかったことです。そうは言っても、武蔵五日市の駅からバスで小一時間。
まさに秘境、山村の中に井上食品さんの蒟蒻工場、畑、冷凍庫、洗い場があって村の人たちも働いていました。
バスで上がってくる途中には生木の匂いのしそうな製材所がありました。林業が成り立っているのですね。蒟蒻の木枠もバッタ式の練り機の蓋も、村の檜を、腕のいい村の職人さんが造ってくれるという話です。見ても新しい清潔な感じの木枠です。その保温性。ステンレスではでない部分へのこだわりを、村の中の様々な温もりが集まって来て私たちの食品製造を支えているのです。
 生芋を茹でて摩り下ろして、それを、練ってカルシウムを混ぜて、練って練って型に入れて、冷やしてパック、湯気と水に満ちている工場内を見ながら、この豊富な秋川の地の水が育てている味を、どう守れるのか、伝えられるのか考えます。
 最初の商品展示会が錦糸町と品川であった時以来、行きたかった井上食品さんの訪問は、結局マハラバ文庫の企画になってしまいました。長い年月がこの生いも蒟蒻の美味しさになじんでいます。
 山仕事讃歌の隠れた座回しは軽米の椎茸原木会議や檜原村の隣?上野原の中川さんの雑穀を見に連れて行ってくれた小川さんなのですが、わさび田を見た折だったでしょうか、檜原村にも行けるのでは?という気軽な考えで一回企画したのに、日程がとれなかったのでした。今回小川さんは福島の飯舘村の除染に行っているので、文庫番が、組んでみました。企画としての読みが浅くて参加者の方々、受け入れ先にとっては、申し訳ない事だったのではと反省点も幾つも。
 未熟なままに暴走している企画もする会社です。結果、美味しい味を知るだけかもしれません。
ここの地域は、じゃが芋や蒟蒻芋のような芋に適した土地だからと、振舞ってもらった煮物。適地の味というのは、どのような調味料にも勝るのですね。
 

 檜原村も、人口は半分になって、井上さんの通った小学校も統廃合で一つになっているそうです。働いている方々も、若い人はもちろん、村のおばあちゃんおじいちゃんも。この間、そこの道をウリン坊が二匹連れ立って歩いていたよ。熊もいるよと言います。むやみに工場を拡げても雇用は大変ですね。私が長く食べている味を守りたいと思ったら、・・課題はどっさり。
 そして、バス・電車を乗り継いで甲府の町に戻ると夜です。車で駅から私の村に!戻ります。
駅前・地方都市の役割が、変わってきていることに、どう転換の姿が作れるのか。日本の各地を助手席で語ります。その晩の居酒屋で出た食べ物は、業務用仕入れのどこでも同じような食品でした。課題はどっさり。

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