2010年4月17日土曜日

カムイの言霊


常磐線の時間を有効にと本を携えて乗ります。チカップ美恵子さんの本は初めてになるのですが、彼女とは、「ときわ路」に父の文章が載った号に「私は生きたアイヌである」という題名でアイヌ肖像権裁判への文章を書かれていたので、コンタクトをして二度ほどお会いしたのです。母も母自身の活動の中でお会いしていて、この本を読んでいるのよと見せると、「あら、確か亡くなったのよ」というので驚いて検索すると、今年の2月5日だったようです。この本の後書きにも闘病についても書かれています。
 私は生きたアイヌという内容には、その当時、障害者と健全者という二項対立でしか考えられず、どちらに自分は位置を定めて社会を観ているのかなど、僅かな語句の中でわけがわからなくなっていた私への大きな衝撃をもたらしたものだったのです。お嬢さんともその時にお会いしたはずと、今残されてどうされているのかと思います。
 極めて、はっきりとした自己存在についての筋道のある言葉をいただけたと、今さらに思います。

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